夏本番! 涼を求めて渓谷に。目指すは、画像、ほぼ真正面の谷。
( 否、低山オフシーズンは百も承知だが、23区内在住者として、やはり自然を欲するのです )
盛夏のデータでは( 都内西部の山域、そんな調査データがある。エビデンスあります )、近郊の市街地に隣接する森林地帯では、町場よりも数度気温が低い。
ただあくまでも森の中、陰となるエリアでしょう。稜線-ピーク付近はうだるような暑さ、それこそ熱中症になりかねない過酷なコンディションではないでしょうか。
しかし涼しげな森の中にもリスクが、そう、愉快な仲間たちも活動中。ヤブには近づかないが、それでもブヨ、蛇、ヒル、そして特に蜂には要注意( これから猛る )。
さて、まずは湧水を求めて山にわけ入るのですが、標高300mなエリアなんで、実際にはわりと麓寄りの水場でしょうか。
秘密なほどではないが、具体的には伏せますが、地元の方しか知らないような湧水ポイントが各所にありまして、その場所により味が異なるんです。
おおまかには、軟水と硬水とにわかれる。そして、たいていは源流に近いほど、山奥の湧水ほど美味だと感じる。
度々説明してるように、なによりも盛夏の低山は敬遠したい、やってらんない! が、真夏日、都心部の人為的な熱気に比べれば遥かにマシ。
そして、焼けつくような真夏の陽射しをモロに喰らう酷暑な低山でも沢筋は別格、谷川の清流はまさに山の中のオアシスでも。
( もちろん生の沢水は飲めない、雑菌が多い。また、あまりにも暑いと、人目をはばからずな、山の中なんで、かまわず頭から水を浴びる )
ところでそんな山のオアシスの源でもある湧水は、沢に接するとは限らない。沢筋に湧いていても、沢そのものには近寄れない場合も( 崖などに妨げられて )。
湧水で茶を淹れるのも楽しみであり、あえて夏季の低山、せっかく自然にわけ入ったのであるからして、涼な沢でお茶したい。
そこで、湧水の前に、とりあえずは沢に。
ところで、ハンドルバーに、ぶさいくにもアタックザックを括りつけてるが… その中身は…
これは… plum! フルーツ! マイナーな沢で冷やす、清流の瀞に沈める、隠しとく。天然の冷蔵庫としても沢を活用するのだ。
( もちろん他の果物でもいい。また、清流で冷やした水羊羹もなかなかの美味 )
そしてまた自転車にまたがると、今度はローカルな名水とされる湧水をくみにひた走る。
また沢に戻り、その湧水で茶を淹れ、デザートには沢でひえひえなplum。と、これは、当然、美味!!!
そしてさらに、アタックザックに入れてあるのはデザートのみではない。
こんどは… 沢靴! 沢タビ! もう泳ぐ気まんまん!
ではでは入渓。この小滝の釜で、肩ほどの深さだろうか( この日は水量が多いほう。ちなみに前回訪れた時は胸下くらい )。ためらわずに飛び込む! 潜る! 泳ぐ!
緑蔭の下、沢のせせらぎ、そしてまさに「夏虫の声よりほかに問ふ人もなし( 抜粋-後撰和歌集 )」。
盛夏の低山で泳ぐ、これほどの贅沢があるだろうか!?
水筒も用意周到に、中身はもちろんお土産の湧水。天然の恵みをおすそ分け!
( これはガラス製の古い魔法瓶。この位置、取り付け方で、たとえばガタガタな未舗装林道を走行してもなんともない )
追記。沢歩きが趣味な方には当然な所作、でもたとえば都会育ちな現代っ子は、清流で冷やしたなにかを食するという経験があるのだろうか?
60年代、23区内でも、まだ井戸水はポピュラーだった。水道代なんて不要だった。
( ちなみに子供のころ、実家には井戸が二つあったが、高度成長が進むに従い飲用不可に。高度経済成長にはさらなる現代化の恩恵があると同時に、いわゆる公害での加速度的に、古来からつづく暮らしの姿がメタメタにもされたのだ )
その井戸端で、夏、たとえばスイカを冷やす、とか、それはごく当たり前のこと。盛夏を乗り越える知恵でもあった。
plumにも思い出が、やはり60年代のこと、友達数人とハイキングに( 登山に例えるほど、たいそうなものではない、ゆるゆるな遊び )。
そこで湧水を発見( 泉、こんこんと湧きでていた。由来ある場所で、たしか説明の看板もあった。そのエリアは残念なことに、現在は立入禁止、不明に )。
そもそも特に目的もない山遊び、わー! 湧水スゲー! で水遊びに。大騒ぎな、あっと言う間に全身ずぶ濡れ。
するとそこに一人のハイカーの方が、覚えてるのは、高齢の女性で単独、たしかチューリップハットにアタックザックな軽装備。なにか? 会話を交わした? それは失念。
そのハイカーの方が、なにやらザックから取り出した。それがplum。「泉で冷やして食べなさい…」とかなんとか、食し方まで指南していただいた。
実はそれがfirst impression( plum初めてだった )。それはまた清流でなにかを冷やして食する初体験でもあったのだ。
なんっうか、バカっぽい子供たちが景勝で石をひっくり返したりして大騒ぎしてた。それをとがめるでもなく、さらなる自然との接し方を教えてくれたわけで、なんとまあ粋な所作!
( それにより、却って、自然の大切さ、その恵みのありがたさを教わったのではないだろうか )
品がある! カッコいい! もちろんその指南役ともなる単独の女性ハイカーの方がだ。思い出す度に、そうゆう大人のハイカーに焦がれる。
追記2。この日、都内は37度前後。山は涼しいとは言え30度は越える。だが、梅雨明けで水量も豊富な清流はひえひえ!
それでは当然、登山で熱中症? とか関係ない。実際、2時間弱、沢で遊んでたが、身体は、少し震えるほどにかなり冷える。
私において盛夏-真夏日の低山は、泳ぐため、沢に飛び込むためにあるようなものだ。まるで天国! 極楽! もう最高!!!