缶スプレーで自転車塗装( 前編 )

トップチューブの仕上げ塗装。ところで塗料の色目-調色は、自動車用が最も手軽。それはカラーコードで調合可能なので色コケが率が低い→再現性の問題。

( もちろんタッチUPではヤケの問題が、でも、ここでは自分用、そこまで神経質な話ではない。遠目に見てOK!な具合で )

HOW TOな説明は弊害もあるのだろうが、たとえばディーラーのショールームを訪れ、気に入った色の車があれば、そのカラーコードを調べて指定。

( いわゆるカー用品店にお願いする、調色してもらう。またその時に、缶スプレー用もしくは缶入り塗料かを選択する )

そして塗装だが、以前にも述べたように塗装そのものは簡単( ソリッド単色は )。それよりも下地( 仕上がりは下地ママ )と塗装のための設備が問題に。

その下地と設備については前回もふれたので割愛。まあプライベーターには段ボールの簡易ブースと缶スプレーがお手軽( 吸気と排気-換気に注意 )。

ちなみに自転車の塗装も自動車の塗装も工程は同等。むしろ自転車は難しい( 丸パイプの塗装はムラ・タレが起きやすい。場所さえあれば、自動車1台丸ペンも難しくはない )。

いずれにせよDIYで最も重要なのは家族と近所の理解。23区内での安易な塗装は、ご近所トラブルの元。とにかくそこは、くれぐれも慎重に。でないと苦情が。

( 現在、DIY塗装で難しいのは、塗料でも道具でもない。それよりも環境問題。今時の住宅街で露天吹きはモラルとしてもいかがなものか? )

それと、厳冬期はNG、雨天はNG、夜間NG、超早朝もNG。夕暮れ時も避けるのが無難。それは気温と湿度の問題( ヒケる )。最適は、暖かに、カラッと晴れたドライな昼間。

段ボールの簡易ブースは、私は、自転車フレームが丸々入るほどのものを作る。天井側を工夫-補強、そこに自転車フレームを吊り下げて、くるくる回しながら吹いている。

その簡易ブースは換気扇のあるインドア。メリットは、換気扇にフィルターを取り付けられる点。それにより屋外への塗料の飛散を防げる。

( 具体的には風呂場、塗装後に部屋丸ごと洗える。ただ、数年に1度あるかないか。絶えず吹いてるわけじゃない。もう歳、こんなことやりたくないのが本音 )

では塗装… その前に、これ一般的とは言い難い手法。この場合( 亜鉛塗装の実例で紹介したように )、いわゆるプライマーとサフェイサーは使わない。

鉄肌に亜鉛をアースでサビ止め、そしてラッカー系塗料で仕上げな、ぞろっぺえ塗装。あまり真に受けないように。でも実際、この30年くらいか? このやり方です。

( 塗料そのものはラッカー系only。いわゆる水性なんたらは一切使わない、ろくなことがない )

亜鉛塗装がプライマーのようで、しかしプライマーとは別種。たとえばクロモリのフレームでは、しなりの歪みで、仕上げ塗装にのみクラックが生じることも。

( 経験では、下地の亜鉛層はなんともない、上側の塗料層のみが部分的に剥離な。これはプライマー特性なタイプの亜鉛で防げるが、やはり面倒、使い分けてない )

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良い加減にムラなく塗装完了。この時、トップチューブ以外、たとえばヘッドチューブはフリーマスク的に養生。

( え! それって境目が荒れるじゃん!? そこは良い加減に仕上げ用コンパウンドで整える )

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そしてストーブで焼き。とにかく焼いちゃう、強制的に硬化させる。後が楽なんですよ。ただ、これは下地塗装の焼きもだけれど、生焼きに注意。中途半端に焼き上げると、あとでとんでもなく面倒なことに。

缶スプレー塗装に自家焼きなどのコツは、まあ経験を積むしかない=失敗から学ぶ。ただ、攪拌は必須( 事前によくフル )。季節-気温にもよるが最低10-15分は振り回す。

( 冬季は湯で温めもするが、私は、冬季の塗装そのものを控えてる。もっとも自家塗装にトライされている方は、すでにたとえば10代のころにプラモデルの塗装などで、そんな勘所を押さえているだろう )

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仕上がり。フリーマスクとの境にはコンパウンド=良い加減に整える。このようなスポット的な補修塗装にはマスキングテープでのマスクは、私は、使わない。

( 固定かフリーか? そこは臨機応変に。でもこのような同色ソリッドのスポットでは…Hmm フリーが適切と思うのだが、いかがだろうか? 面積が大きいものはガッツリ固定なマスクで吹くが、直径5cmもない自転車フレームだし… ちなみに2トーン塗装でのマスキングは、自転車フレームでは、極力、カッターを入れない戦術でなんとか仕上げてしまう )

画像、キズが見切れる、それは歴戦の証&古い補修跡、無視で。そこではなく、先の画像のように亜鉛と仕上げをフリーマスクでは、このように養生-マスキング跡が残らない点に注目。

ただし、ヘッドチューブのダウンチューブ寄り、よくよく見ると色の異なりが派生( 一見は、わからない微かな差 )。フリーマスクの痕跡だが、マスキングでの段差じゃない。

塗料の色目は同一( カラーコード合致 )、そう、ベース塗装面の経年のヤケに起因。それは調色で補うものだが、最初に述べたように、ぞろっぺえ。これでもOK!

( 否、エクスキューズに真面目な話、自分用-実用では、こんなもので良いのではないかと考えてる )

さて、このトップチューブの補修塗装、わりとヘッドチューブ寄りな下側であった。実は反対側のシートチューブ側も荒れてる( 長年のシートクランプの締め付けによる塗装ワレなど )。

次の後編ではそのシートチューブ側( トップチューブと交差する部位 )の塗装を紹介。

その1: サビ取り( 自転車フレームの塗装 )
その2: 錆止め( 亜鉛塗料で防錆処理 )
その3: 自転車のタッチアップペイント( 筆塗り編 )
その5: 亜鉛塗料と自転車( 後編 )
その6: 筆塗りで自転車塗装